まず、不安を感じること自体が異常な事態でしょうか?
そんなことは決してありません。日常生活のなかで、不安を感じることは誰でもあります。 進学や就職など人生の転機とも言える出来事があると不安が強くなるのは、一般的に起こることです。不安というのは不確定な将来の脅威に対する予期です。
不安は適度であれば、生活にプラスに働きます。将来への不安があるから緊張して準備もするし、また、危険だと思われる行動を回避します。不安は生きていく上で重要な防衛機能です。
しかし、実際は危機的な状況ではないにも関わらず、常時不安が高まると、不安は生活にプラスに働くどころか生活を送ること自体が困難にさえなります。

『不安』に似た用語に『恐怖』がありますが、恐怖と不安について整理します。
『恐怖』と言うのは、目の前にある差し迫った危険の察知や、その危険に対する逃避です。
『不安』は、将来の危険に対処するために覚醒を保ち、多くは身体の緊張を高めます。警戒し、回避しようとします。

恐怖・・現実のあるいは切迫してると感じる脅威に対する情動反応
不安・・将来の脅威に対する予期

そうすると、恐怖症や不安障害にどのようなものが想定されるでしょう

恐怖症・・その脅威に対する恐怖症 ○○恐怖症(恐怖の対象が動物なら、その動物の恐怖症といった具合に)
不安障害・・主に、5つに分類できます。環境からの分離に関するもの、環境で誘発されるもの、突然起こるもの、自分がどうみられているかについて、生活全般にわたる不安

具体的に記しますと(病名をクリックで、詳細をご覧いただけます)
不安障害
・環境からの分離に関するもの・・分離不安症、選択性緘黙
・環境で誘発・・広場恐怖症
・突然起こる・・パニック障害
・自分がどう見られているか・・社交不安障害
・生活全般・・全般性不安障害

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選択性緘黙について、詳しくは、こちら☞
広場恐怖症について、詳しくは、こちら☞
パニック障害について、詳しくは、こちら☞
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