適応障害

ストレスがあると、誰しも動揺し心配したり、気持ちが不安定になることはごく普通にみられることです。しかし、適応障害では、ストレスに反応して、通常予想されるよりも苦悩の程度が強く、仕事に行けない、学校に行けないなど、社会生活に多大な影響が出てきます。
家庭や学校、職場での環境の変化や人間関係の悪化が原因となることが多いですが、災害や親しい人との離別、本人の健康問題などが誘因となることもあります。
周りからは「さぼってるだけじゃないか?」とか「こんなことくらいで悩むのはおかしい」などと言われ、独りで悩んでいることも少なくありません。ストレスの対処の仕方や反応は人によって異なります。適応障害では、他者にとっては些細なことと思われるような出来事であっても、自分にとっては大いにストレスと感じ主観的な苦悩、重大な社会的な機能障害を生じます。

症状

  1. ある場面(学校や職場など)で、不安が強くなる、気持ちが沈む
  2. ある場面では、集中力がなくなる
  3. 食座でのストレスを感じてから、遅刻や無断欠勤が増えた
  4. 明日のことを考えると、夜眠れない
  5. ストレスがなくなると症状は改善される

治療

適応障害は、生活環境上のストレスが要因となっています。そのため、ストレスとなっている環境への働きかけが主な治療となります。仕事上のストレス因が強い場合は、職場環境の調節のご提案や、ご本人様が希望されれば就労先の産業医への提言も選択肢の一つとなります。また、不安や抑うつ、不眠などを伴っている場合は、お薬の提案も致します。
適応障害は、周囲から「さぼっているだけ」などと言わ続け自信を失ったり、ストレスを克服しようとするあまりかえって落ち込みがひどくなり、うつ病に移行することも珍しくはありません。周りには理解が得られにくいのも適応障害の特徴です。お独りで耐えるには限界があると思いますので、辛い気持ちがおありなら一度ご相談ください。

よくあるご質問

Q. 気持ちが落ち込みます。うつ病とはどう違うのですか?

生活環境上のストレス要因に反応して、症状が出てくることが適応障害の特徴です。ですから、うつ病でみられるような気持ちの落ち込みが出ても、ストレス因子がない時は、比較的気持ちは落ち着きます。例えば、お仕事でのストレスが強い場合、職場では気持ちが落ち込むけれど、自宅では気持ちが安定する、夜寝る前になると明日の仕事が意識され憂うつになる、遅刻が増える、といった症状の変化があります。
ただし、適応障害を放っておくと、うつ病に移行することも多いです。

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